スプーンに映った世界を見る

「好き」という気持ちだけを大切に生きていく

リハビリ

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本当に運動したくないというブログを書きました。

運動したくない

運動をしている自分がみじめすぎる。
あまりに普段から運動をしなさすぎた。運動をする度にこのコントで医者(関町さん)の元へよろよろと呻きながら向かう患者(田所さん)のようになってしまう。

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現実には関町さんのような医者はいないので、私が四畳半の部屋でのたうち回っているだけ。
地面に這いつくばり、必死でベッドの脚まで手を伸ばそうとするがまるで届かず、反動で後ろにのけ反れば壁に頭をぶつけ、うずくまって頭を上げると壁のデヴィッド・ボウイのポスターと目が合う。

「誰でも1日だけならヒーローになれる」

- Heroes/David Bowie

自分にとっては重要じゃないのに、生きる上で重要なスキルが多すぎる

本当に運動したくない。
しかし、アイロンがけをしただけで筋肉痛になってしまったので運動しなければならない。健康でないと人は生きられない。


運動に時間をかけたくない。
時間をかけずに健康になりたい。楽しくないのにやる意味がわからない。運動してるヒマがあったらお笑いを見たい。

 

「テレビでお笑いを見ながら運動すれば?」
番組に集中できないから嫌だ。

 

「友達と運動したら?」
運動を好きな友達がいない。

 

「移動をすべてエレベーターではなく階段にしよう」
時間がかかりすぎて、タワーレコード渋谷店8Fに永遠に辿り着くことができない。

 

「自転車で移動してみよう」
家の前にSASUKEのそりたつ壁レベルの勾配の坂が立ちはだかっていて、都心まで移動することができない。

 

「ジムに通ってみたら?」
犬を連れたセレブ御用達の徒歩1分の高級ジムに毎月3万円払うか、トレーニング用マシンが1年間壊れたままの寂れた徒歩30分のジムに毎月5000円払うか。それしか選択肢がない。

 

すべて「できない」ということしかわからない。シーシュポスの岩を押している気分だ。*1

思うように体が動かないのは精神が肉体に対して負けている

「涙は肉体に対する精神の敗北だ」

- 画家ゴッホから弟テオへの手紙、1876年9月1日*2

 

このまま健康診断の「週に1時間以上継続的な運動をしている」に毎年「いいえ」をつけ続けるだけでいいのか。
なんとかして肉体と精神のつながりを取り戻さなければならない。

 

ヨガ教室に行ってみる。

 

先生
「もっと体の声を感じて」
体の声ってなんだ?そんなものは聞こえない!

 

「気持ちよくなるところまで伸ばしましょう」
運動していて気持ちよかったことなんて人生で1度もないのですが?

 

「そのまま10秒キープしましょう」
やれやれ!

 

1時間で抜けてラーメン食べて帰った。

 

適切な報酬付けが必要だ

イヤなことを続けるには自分で「ご褒美」を設定する必要がある。
運動したらTBSラジオのお笑い番組『マイナビラフターナイト』の「今週の1番」に投票していいとか、そういう動機付けが必要だ。
「ご褒美」になるようなものってなんだろう?

アラン・シリトーの「長距離走者の孤独」の本を読む。

 

たったひとり、この世の中を飛び出せる長距離走者だということはありがたいことだ。気分を壊す相手もいなければ、ああしろこうしろとか、入りやすい店があるから隣の通りから裏口に忍びこめとか命令する奴もいない。ときどき俺は思うんだ、門を出て小径をとことこ走り、小径の終わりのあのつるんとした顔の、樫の木のとこで折り返してくる2時間くらい、これまで自由なことはなかったと。すべては死んでいるがすばらしい--生きてから死んだんでなく、生きる前に死んでいるのだから。*3

 

なるほど。


走ることによって人は自由になる……
早朝に走るのは誰もいなくて気持ちいい……

 

やってみようかな?

 

初任給が入る前になけなしの現金で買った浮かれたショッキングピンクのジョギングシューズを棚から出す。

 

 

 

あ。

 

 

雨だ。今日はやめておこう。

 


マイナビラフターナイトを聞きながら寝る。

*1:シーシュポスの岩とは…ギリシア神話。岩を山頂まで運ぶようにという罰を受けるが、山頂に運ぶたびに岩が落っこちてしまい毎回0からやり直しになる。絶対ムリかもしれないのにやらないといけない、人生を現した逸話

*2:Letter from Vincent van Gogh to Theo van Gogh Isleworth, 1 September 1876(2019年4月7日閲覧)

http://www.webexhibits.org/vangogh/letter/4/082a.htm?qp=feelings

*3:『長距離走者の孤独』アラン・シリトー著 丸谷才一、河野一郎訳 (新潮社)
1958年のイギリス文学。少年院に入れられた主人公が院対抗のマラソン選手に抜擢されるも、権力闘争の歯車になることを嫌ってゴール前で立ち止まってわざと負ける。