スプーンに映った世界を見る

「好き」という気持ちだけを大切に生きていく

待ってることがしあわせ

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フリを長く使えるコントっていいよね。
そんなコントが見られるお笑いライブっていいよねということを書きました。
(かが屋の単独もめちゃめちゃフリをたっぷり使ってめちゃめちゃ面白いコントばかりでよかったですね。市役所の待ち時間。本文中にはかが屋の話は出てきません)

フリを長く使えるコントっていいよね

日常のささいな場面を切り取ったようなコントが好き。
だんだん「ん…?」という感情が蓄積していって、それが爆発したときに笑いが起きる。
ただその感情を共有できるまで、観客は待たなくてはいけない。

長いフリを待てるということは信頼関係があるということ

面白い人たちだということを知っていると、笑いが起きてない時間が長くても「このあと面白いことが起こるんだろう」と期待しながら待てる。
知らないと単純に最初の数十秒で「つまんないな」と興味を失われてしまう。
フリを長く持てるということは、演じる方も「このお客さんならこれぐらいの時間は待ってくれるだろう」と思っているということで、信頼されている気がする。

東京03「この時間」

youtu.be

「待つ」ということに関して、「このコントすごいな」とまっ先に思ったのがこのネタ。
公式で上がっていないのでトレーラーの中で10秒くらい見られます。
フル尺のコントはDVD「後手中の後手」に収録されています。

2分フリに使った後にさらに1分待つ。
ちょっと動きがあってさらに1分待つ。
こらえきれずに角田さんがちょっと喋った後また1分待つ。
好きだから待たなきゃいけない、でも早く告白の返事を聞きたいというもどかしさが最終的に爆笑に変わってくのがすごい。
「絶対テレビではできないネタだよねー」と飯塚さんがオーディオコメンタリーで言ってたのが印象深い。

牛女「LUNA SEA」

youtu.be

フリーの芸人レッドブルつばささん主催のお笑いライブ「始まりの街」第2回のトリでその日1番ウケてたコント。
最初の2分を「ふーん…」という態度ではなくとにかく真剣に見てほしい。
真剣に見れば見るだけ「どんなコント?」と思えるので。
こんなに共感できるツッコミもお笑い界にそうないと思う。

ルシファー吉岡「探偵」

m.youtube.com

これも冒頭2分くらいをフリに使っているコント。
ワードチョイスがすごくいい。
ルシファーさんが言うとどんな言葉も品があるように思えてくる。

友達も待ってくれる

「信頼関係があれば待つ」というのは友達も同じ。
自分に興味を持ってくれている場合、多少モタモタしてても待ってくれる。
自分以外みんな帰ってるのに、わざわざ自分が出てくるのを待ってくれてたりする。
特に何も約束してないけど待っている。
「一緒に行きたかったから」という言葉をかけてくれる。

興味がない場合はどうか。

「待つ」という発想もなく置いていかれる。というか撒かれる。
飽きられて話の途中でどこかに行ってしまう。そもそも話を聞いてない。
約束したにも拘わらず忘れられている。
「あとで電話するね」という言葉だけが残り、永遠に電話が来ない。

待ってくれるのってありがたい。

待つことができるお笑いライブっていいね

スマートフォンを開けばいろんな情報が錯綜している世の中で、人の注意を惹いていられる時間は「9秒」だそうだ。*1
テレビでは1〜2分のショートネタが求められるようになって久しい。
ソーシャルメディアの動画の制限時間も1〜2分だ。(Twitterは2分20秒、Instagramは60秒)
お笑いの賞レースの1回戦も2分だし、ゲレロンステージも2分。
その中で、2分をまるまるフリに使っている人たちがいる。

何分間も何時間もみんな集中して見られる、お笑いライブという場は貴重だなと思います。
お笑いライブっていいね。

*1:サリー・ホッグスヘッド『あなたはどう見られているのか』(2015、パイインターナショナル)